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2026-08-19現場改善

生産実績データをAIで分析する ── 稼働率・不良率の原因追跡を効率化する入口

生産実績データは「溜まっているが使えていない」

製造現場では、日々大量のデータが生まれます。設備の稼働ログ、品質検査の記録、ラインごとの生産数、不良品の内容──これらは多くの場合、システムに記録されているか、少なくとも日報や点検表として紙に残っています。

問題は「記録はある」のに「分析できていない」ことです。

データを見るのは、何か問題が起きたときだけ。稼働率が落ちたら担当者が原因を探し、不良が増えたら現場でヒアリングをする。この「起きてから調べる」サイクルは、何年も続きます。

AIを使った生産実績分析は、このサイクルを変えます。蓄積されたデータの中から「何と何が同じタイミングで起きているか」を見つけ出す作業を、AIが代わりに行います。

稼働率・不良率で「何を追うか」

生産実績データの分析で最初に手をつけやすいのは、稼働率と不良率の2つです。

稼働率の低下を追う

設備の停止時間が記録されていれば、「何時間目に止まることが多いか」「どの曜日・シフトに集中しているか」「直前の生産品種は何か」を集計できます。AIはこれらを複数の条件で組み合わせて、停止の傾向を見つけます。担当者の感覚では気づきにくい「週の後半の夕方に特定機種の停止が集中している」といったパターンも、データには残っています。

不良率の増加原因を絞り込む

不良記録に「品種・担当者・設備番号・時間帯・材料ロット」などが含まれていれば、どの組み合わせで不良が増えるかを分析できます。「この材料ロットを使ったときだけ不良率が高い」「午後の遅い時間帯に特定の設備で集中している」──こうした傾向を、AIは大量のデータを処理しながら見つけ出します。

生産実績データの分析フロー

AIが得意なこと・得意でないこと

AIは「膨大な記録から、関係がありそうな組み合わせを素早く探す」ことを得意とします。人が手作業でクロス集計するには時間がかかる検索を、何万行のデータでも短時間で処理できます。

ただし、AIが出した「傾向」は原因の「候補」です。「この条件のときに不良が多い」という相関関係をAIは見つけますが、「なぜそうなるのか」の工学的・物理的な理由は、現場の人が判断します。AIを活用しても、最終的な原因の確定は現場知識と組み合わせた人間の判断です。

この点は、最初に明確にしておく価値があります。AIは調査の手間を減らしますが、判断を代替するものではありません。だからこそ、現場の知識を持つ人が結果を確認する体制が前提になります。

「分析できる状態」を作る3ステップ

AIで分析しようにも、データが整っていなければ始まりません。多くの現場で必要なのは、分析の前段階──データを「使える形」にする作業です。

分析できる状態を作る3ステップ

STEP 1 データを1か所に集める

設備の稼働データ、品質記録、日報が別々のシステム・帳票に散らばっている場合、まずこれらを集約します。すべてのシステムを統合する必要はありません。分析に使う期間の主要なデータをCSVやExcelに書き出して1か所に置くだけでも始められます。

STEP 2 日時・品種・設備番号を統一する

データを集めると、日時の記録形式がシステムごとに違う、品種コードの表記がゆれているといった問題が出てきます。AIが「同じ日の同じ設備の記録」と判断できるよう、日時の形式と識別コードを統一します。この作業は地味ですが、分析精度に直結します。

STEP 3 小さな範囲で分析を始める

全データを一気に分析しようとすると、結果が多すぎて何が重要か分からなくなります。最初は「この3か月間の不良品記録」「この設備の停止ログだけ」のように、範囲を絞ります。小さな成功体験を積み重ねる中で、どんな分析が現場の役に立つかが見えてきます。

長野の多品種少量生産に合っている理由

長野・諏訪・岡谷エリアの中小製造業は、多品種少量生産の現場が多く、品種・ロットごとの品質バラつきや、設備の稼働状況の管理が課題になりやすいです。

多品種の現場は、実は分析にとって有利な面があります。「品種Aのときだけ不良が出る」「この材料ロットとこの設備の組み合わせで問題が起きる」──こうした傾向は、扱う品種が多いほどデータに現れやすくなります。蓄積されている記録の量と多様性が、AI分析の精度を支えます。

単品大量生産の現場ではデータのバリエーションが少なく、条件の違いが見えにくいことがあります。多品種の現場が持つデータの多様性は、長野 AI 製造業の分析という文脈でも強みになります。

まず何ができるか、現状確認から

私たちは、現場にどんなデータがどの形で存在するかを整理するところから始めます。「うちにはまともなデータがない」と感じていても、日報・検査表・設備の稼働ログなど、分析に使えるものが思ったより残っていることが多いです。

効果が見込めない状況──データが少なすぎる、記録の精度が低すぎるといった場合には、その旨をはっきりお伝えします。どのデータをどう使えるか、何から整備すれば分析できる状態になるかを、長野・岡谷の製造現場の実態に合わせて一緒に確認します。