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2026-07-06現場改善

現場の「困りごと」をAI化のネタに翻訳する方法

困りごとがそのままAI化のネタになる

「AIを使いたいが、何から始めるかわからない」──この問いに向き合うとき、出発点の設定が逆になっている場合があります。

「AIに何ができるか」から考えると、情報が多すぎて整理がつきません。正しい入口は「現場に何の困りごとがあるか」です。

長野・諏訪・岡谷の製造現場を見ると、困りごとはすでにそこにあります。「この作業、毎回手間だな」「ここで時間がかかっている」「もっと早くできないか」──こうした日常的な不満が、AI化のテーマになります。必要なのは、困りごとをAI化のネタに「翻訳」する技術です。

まず困りごとを拾う ── 3つの質問

AI化の対象を探すために、現場の担当者に3つの質問をします。難しい分析は不要で、この問いかけで十分です。

① 毎日・毎週、繰り返している作業は何か

繰り返しが多い作業は、AI化の候補です。1件あたりの時間短縮が積み上がるからです。日報の記入、定型メールの作成、データの転記──これらが典型的な繰り返し作業です。

② 「ここで時間を取られている」と感じる場面はどこか

時間がかかる原因は、探す・確認する・入力する・書く、のいずれかに集約されます。「図面を探すのに時間がかかる」「見積の下書きを考えるのが大変」──この種の声は、AIが効く場所を示しています。

③ 「できれば人がやらなくていい」と感じる作業は何か

担当者が「こんな単純なことに時間を使いたくない」と感じている作業は、自動化の候補です。担当者の判断力・経験を必要としない、ルールや形式が決まった処理が対象になります。

困りごとをAIのネタに翻訳する ── 4つのパターン

拾い上げた困りごとは、4つのパターンのいずれかに当てはまります。このパターンがわかると、AI活用のテーマが自然に出てきます。

困りごとをAI化のネタに翻訳する4つのパターン

パターン1 ── 繰り返しの文章作成 → AIに下書きを任せる

困りごとの例:「日報を毎日書くのに30分かかる」「取引先へのメール文案を考えるのに手が止まる」「見積の説明文を一から書いている」

翻訳後のテーマ:生成AIにキーワードを入れて下書きを作り、担当者が確認・修正します。記入の時間を短縮し、担当者の負荷を下げます。

パターン2 ── 転記・入力作業 → AIで変換・整形する

困りごとの例:「FAXや手書き伝票をシステムに入力し直している」「エクセルのデータを別のフォーマットに写している」

翻訳後のテーマ:OCR(文字認識)や生成AIを使い、紙やPDF上の情報をデータ化します。入力の手間と入力ミスを減らします。

パターン3 ── 探す・確認する時間 → AIで情報を引き出す

困りごとの例:「過去の図面や仕様書を探すのに時間がかかる」「以前と同じ問い合わせに毎回同じことを調べて答えている」

翻訳後のテーマ:社内文書をAIで検索できる仕組みを作ります。質問を入力すると、該当する書類や過去事例が引き出される状態を目指します。

パターン4 ── 判断・分類の補助 → AIで判断根拠を示す

困りごとの例:「問い合わせへの優先度判断が担当者によってバラバラ」「在庫の要不要の判断が属人化している」

翻訳後のテーマ:過去データや規則をAIに読ませ、判断の根拠となる情報を提示させます。最終判断は人が行い、AIは材料を出す役割に限定します。

AI化に向きやすい困りごと・向きにくい困りごと

翻訳したテーマがAI化に向いているかどうかは、以下の観点で判断します。

AI化に向きやすい条件・向きにくい条件

向きにくい困りごとが出てきたとき、「今はAIより別の方法を使う」という判断も、現場改善の重要な成果です。私たちは、AI化が効果的でないと判断した場合、その旨をはっきりお伝えします。

翻訳したあとの次の一手

困りごとをAI化のテーマに翻訳できたら、次は「どのツールで・どう試すか」です。

多くの場合、最初のステップは既製の生成AIツール(ChatGPTやClaude等)を使って、1つの業務を2週間試すことです。特別なシステム開発は、試行の後に判断します。

翻訳の精度より、試行のスピードが大切です。「正しいテーマを長時間かけて選ぶ」より「小さく試して、現場の感覚でジャッジする」ほうが、AI化の現実的な進め方です。

長野・諏訪・岡谷の製造業で「どの困りごとから手をつけるか」を整理したい場合は、私たちに声をかけてください。現場の声を一緒に整理し、最初の一歩を具体化します。